「家の中にゴキブリが出るのは嫌だけど、強力な殺虫剤を撒くのは抵抗がある」
こうした悩みを持つ方の間で、天然由来のハーブを活用したゴキブリ対策が注目を集めています。
しかし、本当にハーブはゴキブリに対して効果があるのでしょうか。
本記事では、ハーブがゴキブリ対策にどのような効果があるのかを解説し、おすすめハーブとハーブを使用するうえでの注意事項などを解説します。
ゴキブリ対策にハーブは本当に有効なのか

ハーブを置くだけでゴキブリを駆除するのは難しいです。
しかし、ハーブ由来の精油(エッセンシャルオイル)の成分には、ゴキブリを寄せ付けにくくしたり、弱らせたりする作用が報告されています。
ゴキブリ対策でハーブを使うには、メインではなく室内に寄せ付けないようにする補助策や防止策として扱うのが一般的です。
ゴキブリ対策にハーブが選ばれる理由
それでもゴキブリ対策としてハーブが選ばれる理由には、単なる虫除け対策だけでなく、ゴキブリ対策と暮らしの質(QOL)を両立できることがあげられます。
殺虫剤に含まれる化学合成成分は、ゴキブリに対して強力な効果を発揮する一方、その独特のにおいや短時間の感覚異常を嫌う人もいます。
その点、ハーブは人にとって好まれやすい香りのものが多く、殺虫剤を使いにくいキッチンや食器棚などの近くにも使いやすいのが利点です。
見た目にも可愛らしい観葉植物を飾ったり、普段のお掃除のついでにエッセンシャルオイルを混ぜたスプレーを吹きかけてみたり。
ハーブを暮らしに取り入れることで、見た目や香りの印象を損なわずにゴキブリ対策にもなる点が、ハーブの魅力と言えるでしょう。
ゴキブリが嫌うとされるハーブの成分
ハーブから放たれる以下の成分は、ゴキブリにとっては不快な刺激となることが実験で確認されています。
- チモール:刺激のある香りが特徴で、ゴキブリを寄せ付けにくくする成分として知られています。
- リモネン:さわやかな柑橘系の香りを持ち、ゴキブリ対策では補助的に使われることがあります。
- オイゲノール:スパイシーで濃厚な香りが特徴で、ゴキブリ対策でも注目される成分です。
- メントール:鼻を抜けるようなすっきりした香りを持ち、空間を爽やかに感じさせる成分です。
- シトラール/シトロネラール:レモンを思わせる爽やかな香りを持ち、防虫用途でも知られる香り成分です。
人間にとっては好ましいことが多いこのような香り成分は、ゴキブリにとっては寄りつきづらいものになります。
植物を置くだけでは効果が薄い?精油(エッセンシャルオイル)の重要性
上記のように、ハーブには確かにゴキブリを寄せ付けない効果がありますが、植物を置くだけでは十分な効果を得られないという指摘もあります。
ゴキブリに効果があるとされるハーブの実験データの多くは、濃度の高い精油(エッセンシャルオイル)を使用した結果です。
また、植物には日当たりの問題など動かしづらい理由もあるので、植物だけで室内に十分な濃度の成分を行き渡らせるのは難しいです。
そのため、日当たりのいい場所には植物を置き、そうでない所にはスプレーやディフューザーなどでエッセンシャルオイルを撒くというように併用すると、生活に取り入れやすいでしょう。
だだし、安価なアロマオイルの中には、香りを楽しむためだけの雑貨も多いです。
ゴキブリ対策を目的にオイルを選ぶなら、購入前に植物由来のエッセンシャルオイルかを確認しましょう。
ゴキブリ対策になるハーブ6選

ここでは、香りの特徴や育てやすさから、ゴキブリ対策としても取り入れやすいハーブを6種類紹介します。
アロマティカス
アロマティカスは、肉厚の葉からしっかりとした香りを放つハーブです。
乾燥に比較的強いため、忙しい一人暮らしの方や初心者でも手軽に室内で栽培できる植物と言えるでしょう。
クローブ(丁子)
スパイスとして知られるクローブには、殺菌・抗菌作用もあるオイゲノールが凝縮されています。
ゴキブリだけでなく、ハエ、アブ、蚊などのほかの害虫に対しても幅広く効果を期待できます。
なお、クローブの栽培は難易度が高いため、香辛料としてホールで販売されているものを買って子袋や小皿に入れて置くのが現実的です。
ミント・ハッカ
ミントやハッカには多量のメントールが含まれており、特に日本ハッカ(和ハッカ)はメントールの含有量が高いため、効果を重視するのであればおすすめです。
植物として育てる場合、繁殖力が桁違いなので、ほかの鉢植えとは少し距離をおいて栽培すると良いでしょう。
レモングラス
レモングラスに含まれるシトラールやシトロネラールは、人間にとってはリフレッシュできる爽やかな香りである反面、ゴキブリにとっては不快な刺激となります。
成長が早く丈夫で観葉植物としての管理もしやすいため、ベランダや窓際での栽培にも適しています。
ローズマリー
ローズマリーは品種や産地によって、先程紹介した成分以外にもゴキブリに効く様々な成分を含んでいます。
日当たりのよい場所なら比較的管理しやすいので、一年を通して料理の香草と害虫対策を兼ねた植物として育てるのも良いでしょう。
タイム
タイムはチモールなどの成分を多く含んでおり、ここで紹介しているほかのハーブに比べても、いかにもハーブっぽい刺激を含んだ香りが特徴です。
栽培スペースがコンパクトで済むため、鉢植えでも取り入れやすいのが魅力です。
ゴキブリを呼び寄せてしまうNGハーブや雑貨

ハーブでゴキブリ対策していたつもりが、逆に招待することになっていたという状態は避けたいものです。
ここでは、かえってゴキブリを引き寄せてしまいかねないハーブと、そのほかにゴキブリを招いてしまう可能性が高い雑貨を紹介します。
バニラやアニスなどの甘い香りと一部のスパイス
一部の研究では、バニラビーンズやバニラエッセンス、山椒、アニス、コリアンダー(パクチー)、ディルなどは、ゴキブリを呼び込みやすいことが示されています。
これらのハーブやスパイスをキッチンで扱う際は、使用後に必ず密閉容器に入れて香りが外に漏れないように保管しましょう。
観葉植物の湿った土と有機肥料
ハーブそのものに問題がなくても、鉢植えの土や有機肥料、受け皿に溜まった水がゴキブリを誘い込む可能性があります。
湿った土や受け皿の水はゴキブリの水分補給場所や産卵場所になり、肥料にしている有機成分もゴキブリの餌になってしまいます。
ハーブを育てる場合は、以下の点に注意しましょう。
- 無機質の化学肥料や排水性の良く清潔な鉢や土を使う。
- 水やりは土の表面が乾いてから行う。
- 鉢の受け皿に溜まった水はこまめに捨てる。
段ボール
段ボールには、保温性と保湿性に優れる、波型の隙間がある、接着剤などに使われるデンプン質が餌になる、などのゴキブリにとって好ましい条件が整っています。
特に古いものであると、外から運ばれた時にはすでに卵が生みつけられている可能性があります。
引っ越しの古い段ボールや通販の梱包の段ボールは、保管せずにすぐに外へ出して処分するのが鉄則です。
エッセンシャルオイルを使ったハーブスプレーの作り方

無水エタノールとお好みのオイルがあれば、お手製のハーブスプレーが簡単に作れます。
無水エタノールはドラッグストアや100均でも手に入るので、ぜひ作ってみてください。
- ①:無水エタノール5〜10mlに対し、好みのオイル(ミント、クローブなど)を10〜20滴加え、よく混ぜる。
- ②:その後水を45〜90ml加えてよく振る(水道水でもできますが、精製水がベターです)。
注意点として、エッセンシャルオイルにはプラスチックを溶かす成分が含まれています。
保存容器はペットボトルやPS樹脂ではなく、ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレンなどを選びましょう。
また、毎回同じ香りを続けているとゴキブリが香りに慣れてしまうという研究結果もあり、オイルも保存料が含まれていないため時間と共に香りと効果は弱まります。
一度作ったハーブスプレーは、毎日のこまめな掃除で1〜2週間から長くとも1ヶ月以内を目安に使い切り、ハーブの種類をローテーションで替えていくのが理想です。
赤ちゃん・ペット・持病がある家庭への安全ガイド

「天然成分だから100%安全」というわけではありません。
特に持病がある方、妊娠してる方、赤ちゃん、ペットがいるご家庭でハーブを扱うのは要注意です。
ペットのいるご家庭ではオイルは避ける
ペットがいるご家庭では、基本的にエッセンシャルオイルの使用は避けた方が良いでしょう。
特定の植物成分を体内で分解する機能が低く、オイルの成分を皮膚や呼吸から吸収すると重い中毒症状を引き起こしてしまいます。
以下に、主なペットとハーブの親和性の表を載せます。
| 動物 | 区分 | アロマティカス | レモングラス | タイム | クローブ | ローズマリー | ミント・ハッカ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 猫 | 植物 | △ | × | 〇 | △ | 〇 | × |
| オイル | × | × | × | × | × | × | |
| 犬 | 植物 | △ | × | 〇 | △ | 〇 | × |
| オイル | × | × | × | × | × | × | |
| フェレット | 植物 | △ | △ | △ | △ | △ | △ |
| オイル | × | × | × | × | × | × | |
| うさぎ | 植物 | △ | △ | △ | △ | △ | △ |
| オイル | × | × | × | × | × | × | |
| ハムスター | 植物 | △ | △ | △ | △ | △ | △ |
| オイル | × | × | × | × | × | × | |
| 鳥類(インコ・文鳥など) | 植物 | △ | △ | △ | △ | △ | △ |
| オイル | × | × | × | × | × | × |
○:比較的扱いやすい △:要注意 ×:避けたい
※ △は「安全と断定できるほど情報が十分ではない」または「種類差・個体差が大きい」項目です。
爬虫類(トカゲ・亀など)は特に種類差が大きいため、この表では対象外としています。
不安であれば、電話などで獣医師に相談すると良いでしょう。
なお、植物を育てる場合、普通の鉢植えだとペットが倒してしまったり、葉をかじってしまうことがあります。
壁に吊るすタイプのプランターに植えるなど、また別の工夫が必要です。
妊婦・乳幼児・特定の疾患を持つ方へ
妊娠中の方や乳幼児、持病のある方がいる家庭でも、エッセンシャルオイルを自己判断で使うのは慎重になった方が良いでしょう。
人の好みだけでなく、年齢、体調、病気ごとに負担のかかり方が違います。
エッセンシャルオイルを使用したい場合は、以下の表を参考に、使用前に医師や薬剤師に意見を聞いてから使用しましょう。
| 対象 | 基本方針 |
|---|---|
| 妊娠中・授乳中 | 自己判断で精油を使わず、医師・薬剤師に確認する |
| 乳幼児がいる家庭 | 精油スプレーやディフューザーは慎重に考え、まず物理対策を優先する |
| 喘息・呼吸器が敏感な方 | 香りを広げる使い方は避けるか慎重に判断する |
| 持病がある・服薬中 | 使う前に医師・薬剤師へ確認する |
| 敏感肌・アレルギー体質 | オイルを直接肌につけず、刺激が出る使い方を避ける |
このほかにも、喘息や呼吸器が敏感な方がいる場合は、ディフューザーなどで香りを部屋全体に広げるのは考えたほうが良いでしょう。
ハーブが使えないご家庭でも活用できる!侵入経路封鎖アイテム

上記のようなハーブが使えないご家庭でも、ゴキブリの住処となる場所への侵入口を物理的に封鎖することで、ゴキブリの侵入を防げます。
ゴキブリの主な侵入ルートは以下の通りです。
- 外との境界: 玄関のドア下、窓のサッシ、換気扇、エアコンのドレンホース、エアコンの配管穴、通気口
- 水回りと暗所:シンク下、洗面所の収納、トイレの止水栓
ここでは、これらの侵入経路を封鎖できるアイテムを紹介します。
ドア下の隙間には: 隙間テープ
ドアの底面に貼るだけで、床との隙間を塞げます。
子供やペットが触れても安全なシリコン製や、床を傷つけず密閉性の高い高密度モヘアタイプがおすすめです。
窓のサッシには: 網戸用隙間テープ & 網戸の水抜き穴用メッシュシール
サッシの隙間は盲点になりがちです。
網戸の噛み合わせ部分の隙間を埋めるモヘアテープと、サッシのレールにある雨水用の穴をピンポイントで塞ぐシール型メッシュを組み合わせるとより効果的です。
エアコンのドレンホースには: ドレンキャップ
水だけを流し、ゴキブリの侵入をブロックするキャップです。
メッシュ状のものや、逆流防止弁がついたタイプが効果的です。
購入前に必ずご家庭のホースのサイズを確認しましょう。
換気扇には: 換気扇カバー
外から侵入しようとする虫をシャットアウトするフィルターです。
壁紙がはがれるリスクがあるので、磁石やマジックテープで固定するタイプがおすすめです。
通気口には: 通気口・給気口用ホコリとりフィルター
通気口の穴に貼る粘着タイプのフィルターです。
防虫だけでなく、外からの排気ガスやホコリ、花粉が室内に侵入するのも同時に防げます。
こちらも磁石やマジックテープで固定するタイプを選ぶと、跡が残りにくく安全です。
シンク下には: 配管穴カバー & 隙間パテ
排水パイプが床や奥の壁に貫通しているベニヤ板の隙間を埋めるグッズです。
固まらない粘土状のパテを隙間に押し込むだけで、下水から上がってくる虫と臭いを遮断します。
ただし、賃貸物件の場合は退去後にトラブルになりかねないので注意が必要です。
洗面所の収納には: 隙間テープ(防水)または 隙間パテ
シンク下と同様、洗面台の奥にある給水・排水パイプの根本の隙間を塞ぐアイテムです。
水回りでも剥がれにくい防水仕様のテープの他、前述のパテを使用するのもいいでしょう。
トイレの止水栓には: 隙間パテ または 隙間シール
壁から出ている給水パイプまわりの隙間を埋めるためのアイテムです。
止水栓まわりのカバーを少しずらし、内側の穴や隙間に詰めて使います。
【重要】必ずマスキングテープを貼って直接の接触を防ぐ
テープをはがす時に壁紙がはがれたりパテがシミになったりするトラブルを防ぐため、パテを塗る場所やテープを張る場所にはマスキングテープを下貼りしましょう。
特に賃貸の場合、退去時に高額な修繕費を請求される原因になります。
まとめ
ゴキブリ対策においてハーブはメインにはなりづらいですが、侵入防止と生活の質を両立させる意味では人気が高く、普段のお掃除のついでに取り入れやすいのが特徴です。
ただし、ペットや持病があるご家族、乳幼児などがいるご家庭では取り扱いには十分注意する必要があります。
今のうちに物理的に侵入を防ぐ対策とハーブをかけあわせ、今年こそはあの嫌なシルエットを見ないように過ごしましょう。


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