「エアコンをつけているのに、なぜか寝苦しくて目が覚めてしまう……」
日本の夏の夜、こうした悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、なぜ日本の夏の夜が寝苦しいのかを科学的に解説し、寝苦しい夜を快適に過ごせる改善策を解説します。
なぜ日本の夏の夜は寝苦しいのか

エアコンをつけていても夏の夜が寝苦しいのはなぜなのでしょうか。
ここでは、寝苦しい要因と、寝苦しい理由はどこからくるのかを見ていきましょう。
寝苦しい要因は湿度にある
日本の夏の寝苦しさを生み出しているのは、温度以上に湿度にあります。
人間は体温が上がると汗をかき、その汗を蒸発させることで身体の熱を外へ逃がします。
しかし、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなるため、熱をうまく逃がせません。
そのため、身体に熱がこもったままになって蒸し暑さが抜けず、夜の寝苦しいと感じるのです。
日本の夏はどれくらい湿度が高いのか
気象庁のデータによると、東京の相対湿度は、1991年~2020年の30年間の平年値で、7月は76%、8月は74%です。
諸外国と比べても多湿の傾向があります。
空気は気温が高いほど、多くの水蒸気を含めるようになります。
日本の夏は、前半は梅雨前線、後半は高温の影響を受けやすく、暖かく湿った空気が流れ込むため空気中の水分量が増えやすくなります。
そのため、空気中の水分量が多くなって湿度が上がってしまい、汗をかいてもなかなか汗が蒸発しないのです。
快適に眠れる環境設定は?
人間が快適に眠れる温度と湿度の環境は、公的機関に明示されています。
国立精神・神経医療研究センターでは、睡眠時の湿度は40~60%程度がよいとされています。
温度は環境省が紹介しており、快適に眠れる温度の上限は28℃とされているのです。
つまり、夏の夜はまず「室温28℃以下、湿度40~60%」をひとつの基準に寝室の環境を設定するとよいでしょう。
除湿器とエアコンの除湿モードはどちらが優秀?

湿度対策として思いつくのが除湿器です。
では、実際に除湿器とエアコンに標準搭載されている除湿モードでは、どちらがよいのでしょうか。
一般的な家庭用機器の消費電力をもとに以下の概算で計算した場合、電気代だけでみればエアコンの除湿モードの方が安くなる計算になります。
電気代(円)=消費電力(kW)×使用時間(h)×電力量料金単価(円/kWh)
| 機器・モード | 消費電力の目安 | 1時間の電気代(目安) |
|---|---|---|
| エアコン(弱冷房除湿) | 100〜300W | 約3〜9円 |
| エアコン(再熱除湿) | 500〜1,000W | 約16〜31円 |
| コンプレッサー式除湿機 | 150〜300W | 約5〜9円 |
| デシカント式除湿機 | 300〜700W | 約9〜22円 |
※電力量料金単価31円/kWh(税込)で計算。家庭用の一般的な機器の概算値です。
除湿器は稼働しているだけで熱を放出し、室温が2℃以上上がってしまうことも報告されています。
除湿器とエアコンと合わせて運用していると、除湿器で上がった室温を下げるためにエアコンが稼働するため、電気代がかさんでしまう傾向があります。
その点、エアコンの室内の本体と室外機がつながっており、温度も除湿した水も直接室外へ排出してくれます。
もちろん、除湿器の機種や性能によってエアコン以上に湿度を下げられることもあるため、除湿器とエアコンのどちらが良いかは一概には語れません。
しかし、電気代や除湿器の買い替えなどの費用をトータルで見た時に、新しく除湿器を買うよりもエアコンを「弱冷房除湿モード」で運用するほうが安上がりになることがあります。
夏の快眠を支える3つの湿度対策アイテム

このように、夏の夜の寝苦しさを改善のためには、まずはエアコンを「弱冷房除湿」モードで運用して、「湿度が40~60%、室温は28℃」の寝室環境を目指すのが実用的かつ経済的といえます。
この環境を設定したうえでさらに睡眠の質を上げるには、エアコンに加えて以下の3つのアイテムを合わせるのがよいでしょう。
- 冷感敷きパット:熱伝導によって体内の熱を逃がす
- 除湿シート:冷感パットを乾いた状態を維持する
- サーキュレーター:部屋全体に空気を循環させてエアコンの稼働効率をあげる
サーキュレーターは除湿器に比べて電力消費と排熱が少なく、扇風機に比べて広範囲に空気を循環させられるため、夏に快適な睡眠を目指すなら特におすすめです。
ここでは、この3つのアイテムを選ぶ基準と、その基準を満たすおすすめ商品を紹介します。
冷感敷きパッド
敷きパッドは、最大最大熱吸収速度(Q-max(キューマックス))の数値が高いほど、触った時のひんやり感が強くなりなります。
目安としてQ-max0.4以上だと、明確に冷たさを感じやすいといわれています。
手触りのひんやり感を重視ならナイロンやポリエステル素材を、サラサラ感が好みであれば綿や麻の素材のパッドをお好みで選びましょう。
敷きパッドの下に仕込むだけ!湿気を吸い取る「除湿シート」
敷きパッドの下に敷く除湿シートは、シリカゲルの中でも吸湿性が高いシリカゲルB型が配合されており、色が変わって干し時を知らせる吸湿センサーが付いたものがおすすめです。
丸洗いできて、消臭効果や防虫効果がついているとなおよいでしょう。
エアコン効率を上げるサーキュレーター
サーキュレーターを選ぶ基準は、就寝時のストレスにならない目安として20dB以下の静音モードが搭載されているものがおすすめです。
また、自動首振り機能があれば、除湿された風をより循環させやすくなります。
タイマー付きのものもありますが、価格がピンキリなので、お財布事情と相談して決めるとよいでしょう。
朝まで熟睡するための寝室環境設定の3ステップ
これら3つのアイテムが揃ったら、以下の手順で寝室をセッティングしてみてください。
- 就寝30分前にエアコンを「弱冷房除湿・28℃」に設定して部屋の湿度を落としておく
- 布団(マットレス)の上に除湿シートを敷き、その上に冷感パッドを重ねる
- サーキュレーターを天井に向けて回す
もちろん、快適な環境は個人差があります。中にはもっと温度や湿度をさげないと眠れない人もいるでしょう。
その場合でも、一度この方法を試してみて、それでも合わないという時に除湿器の購入を検討するとよいでしょう。
アロマオイルでワンランク上の睡眠を

睡眠環境を整えた上で、今よりもちょっとおしゃれな気分で眠りたいという方は、メントール成分配合のアロマオイルを取り入れるのもおすすめです。
以前本ブログで、ゴキブリ対策としてハーブのエッセンシャルオイルを使ったハーブスプレーを紹介しました。
このエッセンシャルオイルを使うことで、普段とはちょっと違うワンランク上の睡眠を演出できます。
ハーブスプレーの作り方や、そもそもゴキブリ対策にハーブが有効なのかが気になる方は、ぜひこちらの記事を合わせてをご覧ください。


メントールの清涼感を利用する
ハッカ油やペパーミントなどエッセンシャルオイルに含まれるメントールは、皮膚の冷感センサーを刺激して脳に涼しいと錯覚させる強い作用を持っています。
枕元にエッセンシャルオイルを染み込ませたティッシュやコットンをおいておけば、いつもと違う香りに包まれて眠ることができます。
ただし、エッセンシャルオイルを直接寝具や肌にスプレーすると、シミや肌荒れの原因になりかねません。
また、ペットや乳幼児は、エッセンシャルオイルによって重い中毒症状を引き起こす可能性があります。
あくまでおしゃれや気分転換の一環として、睡眠時にエッセンシャルオイルを取り入れてみるのもよいでしょう。
エッセンシャルオイルの使用上の注意の詳細は、以下の記事をご覧ください。

まとめ
いかがだったでしょうか。本記事の内容をまとめると、以下の通りになります。
- 室温28℃でも「湿度50%」を保てば、人間は朝まで熟睡できる
- 高湿度のまま冷感シーツを使っても、汗が蒸発せず効果が半減する
- エアコン「弱冷房除湿」で運用し冷感パッド・除湿シート・サーキュレーターを組み合わせるのが、経済的かつ合理的
- エッセンシャルオイルをつかうと、いつもと違う睡眠を演出できる
電気代が高騰する夏なので、無理に温度をさげるのではなく、自身の環境を整えて節電しながら快適な睡眠を送りましょう。

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