「ハーブを使って、安全にゴキブリ対策をしてみたい。でも、細かいレシピや道具選びに迷ってしまう」
このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
先日のゴキブリ対策にハーブは有効なのかをまとめた記事内で、エッセンシャルオイルを用いた手作りハーブスプレーを紹介しました。

本記事では、手作りハーブスプレーに特化し、作り方やレシピ、保存容器を選ぶ上での注意点などを深堀りして解説します。
ゴキブリ対策にハーブは有効なのか

ハーブには殺虫効果は少なく、ゴキブリを遠ざける忌避効果があります。
ゴキブリは優れた嗅覚を持っており、ハーブの香りはゴキブリにとって不快なものであるという研究結果があります。
そのため、ゴキブリ対策でハーブや植物由来のエッセンシャルオイルを使用する場合、外からの侵入を防ぐ意味で使用されます。
そのなかでもエッセンシャルオイルとエタノールを混ぜたハーブスプレーは、掃除をするついでにゴキブリが通りそうな場所へ香りを残し、室内に入りにくい環境をつくる使い方が中心になります。
どのような成分が有効なのかや、ハーブを使用する上での注意点などは、下記の記事をご覧ください。

スプレーの使用期限と忌避効果を左右する「水」の選び方

ハーブスプレーは、以下の3点を混ぜて作成します。
- 無水エタノール
- エッセンシャルオイル
- 水
「水」は、ただの水道水ではなく精製水の使用がおすすめされています。
ここではその理由について見ていきましょう。
なぜ水道水は避けるべきなのか?
ハーブスプレーは水道水でも作れますが、手作りすると保存料を入れられないため、水の質がそのまま仕上がりや保存状態に影響します。
水道水は、私たちを病原菌などから守るため、飲み続けても害がない程度に塩素が含まれています。
そのほかにも微量のミネラルや、蛇口を通過する際に入り込む雑菌が含まれている場合があり、水道水でハーブスプレーを作ると仕上がりが安定しません。
また、これらの成分とエッセンシャルオイルの芳香成分が反応すると、以下のように成分が劣化することがあります。
- 成分が別の物質に変わることで、ゴキブリを遠ざけるパワーが弱まる
- ハーブ特有の香りが失われ、油が酸化したような不快な臭いに変わる
- スプレー液が分離し、濃度にムラが出て家具のシミや肌への刺激に繋がる
そのため、ハーブスプレーを作成する際には、水道水よりも精製水の使用が推奨されています。
水道水と精製水の違い
精製水は、特殊なろ過や蒸留によって不純物や塩素を取り除いた水です。
余計な成分が一切含まれていないため、エッセンシャルオイルの香りをストレートに引き出せます。
水道水と精製水の特徴や違いは以下の通りです。
| 項目の比較 | 水道水 | 精製水 |
| 成分の特徴 | 残留塩素、微量のミネラル、雑菌を含む場合がある | 特殊なろ過や蒸留により、不純物や塩素を完全に除去 |
| エッセンシャルオイルへの影響 | 塩素が精油と反応し、香りの質が劣化・変質するリスクがある | 余計な成分がないため、精油のピュアな香りを邪魔しない |
| スプレーの使用期限 | 塩素のおかげで初期の腐敗は防げるが、不純物により精油が劣化するため長期保存は不向き | 防腐剤未配合のため、期限は1〜2週間、最長1ヶ月程度 |
| 主な購入場所 | 自宅の蛇口など | ドラッグストアなど |
| 価格の目安 | 水道料金のみ | 500mlあたり1本100円前後 |
精製水は、お近くのドラッグストアのコンタクトレンズ洗浄液売り場や化粧品売り場に置かれていることが多いです。
価格は店舗によって多少前後しますが、500mlのボトルが1本100円前後で手に入ります。
ただし、精製水には防腐剤が一切入っていないため、精製水で作ったハーブスプレーは1〜2週間、長くても1ヶ月以内を目安に使い切るようにしましょう。
また、一度開封した精製水は雑菌が繁殖しやすくなるため、常温ではなく冷蔵庫で保管すると長持ちします。
保存容器は要注意!100円ショップのボトルの罠

ハーブスプレーを作る際、一般的なペットボトル(PET)やポリスチレン(PS)製の容器を使用すると、ボトルそのものが溶けてしまう危険性があります。
保存容器は、本体の材質がガラスか「PP(ポリプロピレン)」または「PE(ポリエチレン)」で、かつ高濃度アルコールとオイルの双方がOKと明記されているものを選ぶ必要があります。
ペットボトル(PET)やプラスチック(PS)はエッセンシャルオイルの成分で溶けていく
柑橘系やミント系のエッセンシャルオイルに含まれているメントール、リモネンなどの成分は、プラスチックを溶かす性質を持っています。
薄めて使うから大丈夫だろうと油断していると、保存容器を内側からじわじわと侵食し、容器が変形して液漏れを起こす危険性があります。
厳密にはペットボトルは条件によっては問題ないことがありますが、いちいちどれがOKでどれがダメなのかを調べるのも手間がかかります。
そのため、ハーブスプレーを保存する容器には、材質がガラスまたは「PP」「PE」で、かつ高濃度アルコールとオイルの双方がOKと明記されているものを選ぶ必要があります。
100円ショップのボトルやアルコール対応ボトルの罠
100円ショップの化粧品コーナーや園芸コーナーには、おしゃれなスプレー容器がたくさん売られています。
しかし、100円ショップのスプレー容器には、ハーブスプレーの保存には向かないものが多いです。
100円ショップのボトルは、注意書きが少なかったり書かれていなかったりするため、エッセンシャルオイルの成分に対応しているかを調べようにも難しいことがあります。
もちろん「アルコール、その他取り扱いに危険を伴う物を入れないでください」と記載されている場合、そのボトルはハーブスプレー用としては使用できません。
それに加えて、「アルコール対応」と記載のあるボトルにも注意が必要です。
ボトルの注意書きを読んでみると「84%以上のアルコールは入れないでください」「オイルや粘性の高いものは入れないでください」などの記載があることが少なくありません。
ハーブスプレーの調合で精油を溶かすために使う無水エタノールは、アルコール濃度が約99.5%以上であり、エッセンシャルオイルは「オイルや粘性の高いもの」に含まれます。
そのため、日用雑貨として売られているスプレー保存容器は、エッセンシャルオイルに対応していないことが多いです。
探す手間を考えたら最初からガラスや「PP」または「PE」の容器が早い
このように、日用品の中でハーブスプレーの保存容器を探そうとすると注意しなければならないことが多く、少なくない手間がかかることがあります。
保存容器は最初から材質がガラスや「PP」または「PE」で、かつ高濃度アルコールとオイルに耐用するボトルを、アロマ専用の雑貨店で探すかネット通販で購入するのが手っ取り早いでしょう。
もしネット通販で購入する場合、アロマ専用の遮光ガラス瓶をおすすめします。
エッセンシャルオイルは、紫外線によって劣化しやすい特徴があります。
そのため、透明なプラスチックボトルよりも、茶色や青色などの遮光性があるガラス製の容器が最も向いているといえるでしょう。
ゴキブリ対策向けハーブスプレーの実用レシピ3選

ここからは、一般によく見かけるチャバネゴキブリに有効だと研究結果がある「レモングラス」を主役にした、家庭で扱いやすいエッセンシャルオイルのレシピを3つ紹介します。
このレシピは、以下のルールで作成します。
- 仕上がりが50ml
- エッセンシャルオイルの濃度は約1%を目安にする
- 精油は合計10滴にそろえる
- 無水エタノール 10ml + 精油 合計10滴 + 精製水 39.5ml前後 で配合比率を統一
もし100mlで作りたい場合は、分量を全て2倍にしてください。
ハーブスプレーの作り方
ハーブスプレーは、以下の3つの手順で簡単に作成できます。
- 容器に無水エタノールを10ml入れる
- エッセンシャルオイルを合計10滴入れて、軽く混ぜる
- 精製水を39.5ml加えて、ふたを閉めてよく振る
精製水とエッセンシャルオイルを同時に混ぜようとしてもうまく混ざらないので、横着せずに1つずつ混ぜましょう。
レシピ一覧表
| オイル | エッセンシャルオイル | 向いている場所 |
| レモングラス | レモングラス:10滴 | 玄関、窓際、キッチン入口 |
| レモングラス×ローズマリー | レモングラス:6滴 ローズマリー:4滴 | リビング、キッチン、洗面所(生活空間向け) |
| レモングラス×ローズマリー×クローブ | レモングラス:5滴 ローズマリー:3滴 クローブ:2滴 | 玄関ドアまわり、ベランダ出入口、ゴミ箱周辺(香り強め) |
それぞれのレシピの詳細を紹介します。
レシピ①:【シンプル基本型】レモングラス単独
「まずは手軽に1本目を作ってみたい」という方には、最もシンプルなレモングラス単独のレシピが間違いのない選択と言えるでしょう。
レモンのようなすっきりとした親しみやすい香りで、空間を爽やかに演出してくれます。
レシピ②:【生活空間向け】レモングラス × ローズマリーのブレンド
ローズマリーも、ゴキブリに対して高い忌避効果や毒性を示すデータが海外の研究論文等で報告されています。
リビングや洗面所など、普段私たちが長い時間を過ごす場所の心地よさを保ちながら、ゴキブリ対策の精度を一段と高めたいときにおすすめです。
レシピ③:【屋外・ゴミ箱周辺向け】レモングラス × ローズマリー × クローブ
玄関のドアまわりやベランダの出入口などの外との境界や、ニオイが気になるゴミ箱周辺など、特に警戒したい場所にはクローブを加えた強力なブレンドが活躍します。
クローブはゴキブリに対して非常に強い忌避効果を期待できますが、人によって好みが分かれる香りです。
今回は少量だけ混ぜて、さまざまな人が快適に使えるバランスに仕上げています。
ハーブスプレーの正しい使い方と注意ポイント
完成したハーブスプレーを使用する際は、以下4点を守るようにしましょう。
- 毎回よく振ってから使う
- 玄関・窓際・床・壁の隙間のはばき周り・ゴミ箱周辺など、ゴキブリの侵入経路や滞留しやすい場所に吹きかける
- 食品や調理器具は避ける
- 素材によってはシミになってしまうため、本格的に使う前に家具や壁の目立たない場所で試す
精製水とエッセンシャルオイルは分離しやすいため、左右によく振ってから使用するとよいでしょう。
ペットがいる家庭の注意点

「天然ハーブだからペットにも安心」というわけではありません。
エッセンシャルオイルは人間には無害でも、ペットには有害な場合がほとんどです。
ペットが吸い込んだエッセンシャルオイルの成分が体内に毒素として蓄積され、急性の肝不全や中毒症状を引き起こすことがあります。
ペットがいる家庭でエッセンシャルオイルが厳禁な理由
肉食動物である猫は、エッセンシャルオイルの成分を体内で分解する機能が弱いため、誤って成分を吸い込んだり触れたりすると中毒症状を起こす可能性があります。
犬に関しても、エッセンシャルオイルの香りが強いストレス要因になり得るうえに、猫と同様の中毒症状が現れることがあります。
他の小動物も、体重が軽いため微量でも影響を受けやすく、代謝機能のデータが少ないためエッセンシャルオイルとの相性が良いのか悪いのか判断が難しいのが現状です。
獣医師と相談のうえ安全性が証明されていない限りは、ハーブスプレーを使用するのは避けるのが賢明でしょう。
芳香蒸留水(フローラルウォーター/ハイドロゾル)という選択肢
「ペットは大切だけど、やっぱりゴキブリ対策も諦めたくない……」
そんな方への選択肢となるのが、芳香蒸留水(フローラルウォーター / ハイドロゾル)です。
芳香蒸留水とは、植物からエッセンシャルオイルを抽出する過程で一緒に生まれるものです。
エッセンシャルオイルに比べて植物成分がわずか0.05%前後と極めて微量で、水に溶けやすい性質があるため、ペットの体内に入っても肝臓に負担をかけづらいのが特徴です。
芳香蒸留水を使うメリットとデメリットは以下の通りです。
| メリット | デメリット |
| ペットへの健康リスクを大幅に抑えられる | 精油スプレーに比べてゴキブリへの忌避効果(パワー)は劣る |
| アルコールで薄める手間がなく、そのままスプレーできる | 香りの持続時間が短い(こまめなスプレーが必要) |
| 香りが強すぎず、人間にとっても使いやすい | 防腐剤ゼロのため、精油スプレー以上に腐敗しやすい |
芳香蒸留水は一般的なドラッグストアではあまり見かけませんが、アロマ専門店の店頭や、ネット通販で検索すれば手に入ります。
ゴキブリ対策として取り入れるなら、和ハッカ蒸留水やレモングラスウォーターを選ぶのがよいでしょう。
ただし、芳香蒸留水だからといって完全に安全というわけではありません。
使用前にはペットの種類や体調に気を配り、獣医師に相談して安全が確認できてから使うようにしましょう。
ハーブスプレーの効果を高めるテクニックと注意点

作ったハーブスプレーを実際に玄関や窓際に吹き付けても、「数時間したらもう香りがしなくなってしまった」ということがあります。
エッセンシャルオイルは非常に揮発しやすく、何も考えずに空気中にスプレーすると、短時間で成分が霧散してしまいます。
そこでおすすめなのが、お茶パックと化粧用コットンを使用したアロマコットンです。
市販のお茶パックの中にコットンを入れ、そこに手作りしたハーブスプレーを浸します。
この「アロマコットン」を玄関の隅やサッシの隙間、ゴミ箱の底などに置いておくと、コットンの繊維に浸み込んだハーブの成分が数日間にわたって効果を発揮し続けます。
スプレーを吹きかける回数も少なくなるため、コットンを置いても邪魔にならないような場所であれば、ぜひ試してみてください。
ここに吹き付けるのはNG!家具の変色・シミになる素材一覧
ハーブスプレーに使用している無水エタノールや精油成分は、お部屋のインテリアの素材によっては大きなダメージを与えてしまうことがあります。
特に以下の素材に直接スプレーしてしまうのは控えた方がよいでしょう。
| 対象の素材 | リスク・トラブル | 安全な対策アプローチ |
| 木製家具(ニス・ワックス仕上げ) | アルコールや精油表面の塗装を溶かし、白くシミになって取れなくなる | 直接吹き付けず、アロマコットンを小皿に乗せて近くに置く |
| 本革・合皮製品(ソファ、スリッパなど) | 油分が奪われてカサカサにひび割れたり、色落ちの原因になる | 付着する恐れがある場所(座面など)の周辺には使用しない |
| 高級な壁紙(和紙、特殊加工クロス) | 染み込んだ精油の油分が、そのまま消えない油ジミとして残る | 壁から少し離れた場所にスプレーするか、巾木(床との境目)を狙う |
| スチロール樹脂(一部のプラスチック製インテリア) | 精油の特定の成分と反応し、ブヨブヨに変形したりひび割れたりする | 容器だけでなく、置き物や家電のプラスチック素材にも注意する |
せっかくゴキブリ対策を頑張っても、お気に入りの家具や部屋を汚してしまっては台無しです。
ハーブスプレーを使用するときは、あらかじめ目立たない場所で試すか先ほど紹介した「アロマコットン」を併用するようにしましょう。
まとめ
ハーブスプレーを作るときは、可能なら水道水ではなく精製水を使いましょう。
また、保存容器は材質が「PP」または「PE」で、かつ高濃度アルコールとオイルに耐用するボトルにすると、成分比較の手間と安全性を両立できます。
ただし、ハーブスプレーの成分は素材によっては家具を傷つけてしまうことがあります。
場所によってスプレーとコットンなどを併用しましょう。
まずは日常のお掃除の中に、エッセンシャルオイルを含んだハーブスプレーを使用して、外からのゴキブリの侵入を防ぎましょう。



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