「雑談が苦手」という人は多いでしょう。
筆者もかつてはそのうちの一人でした。
雑談が苦手だと思う心の底には、雑談に対する思い込みや不安があると筆者は考えています。
本記事は、雑談が苦手だと感じている人に対し、雑談の誤解と恐怖心の正体を解説し、どのようにすれば雑談というものに上手く向き合えるかを紹介します。
雑談を上達したい人にも、相手に話しかけられるのが苦手な人にも、本記事を読んで考え方を変えるきっかけになれば幸いです。
そもそも雑談に才能は必要ない

雑談は特別な才能やセンスではなく、練習によって伸ばせる技術です。
人によって得意不得意はありますが、意識して練習すれば、雑談は誰でもある程度のレベルまで伸ばせます。
雑談に使われる技術は大きく二つ、瞬発力と雰囲気づくりであると筆者は考えています。
雑談における瞬発力
雑談は、「相手の話を聞いて、聞いたことに対して答える」ことを数秒で行う必要があります。
文章のようにじっくり言い回しや表現を工夫する時間はありません。
そのため、言葉を完璧に選ぶ力よりも、会話を止めずに返す瞬発力が求められます。
この「その場で返す」心理的な負担が大きいため、雑談を苦手に感じる人は多いのではないかと筆者は考えています。
雰囲気づくり
「普段は話せるけど、その場の空気では話しづらい」。そんなことがありませんか?
雑談をスムーズに進めるには、その場の雰囲気作りは欠かせません。
話しやすい雰囲気作りには場所や音楽なども重要ですが、それ以上に話している人の表情・声のトーン・言葉遣いなどが大きく関係しています。
好ましい声のトーンなどは相手によって変わるため、自分の中で調整する能力も必要です。
この調整方法がわからなくてうまく話せない、という人は多いのではないでしょうか?
雑談の技術を磨くには、瞬発力と雰囲気づくりを磨くこと
反射的に返す思考を身につけて瞬発力を高めることと、相手に合わせて話しやすい雰囲気を作ること。
この2つの技術を磨けば、おのずとと雑談への苦手意識は薄れていきます。
この2つは、実践を重ねて返事の返し方や距離感を少しずつ覚える中で身についていきます。
トライ&エラーを繰り返して返し方の型を増やしたり、多くの人と接して話しやすい雰囲気を学んだりするには、実践経験を積み重ねていく以外にはありません。
そのため、「コミュ障だから」と考えて雑談を行わずにいると、余計に他人と話すことができなくなってしまいます。
より正確に言うと、コミュ障だから話せないのではなく、他人と話す機会がないからコミュ障になっていくのです。
なぜ雑談を苦痛に感じてしまうのか?

この前提を踏まえたうえで、なぜ雑談を苦痛に感じてしまうのかを見ていきましょう。
雑談を苦痛に感じる要因は人によってさまざまですが、筆者は以下の4つの不安が、特に大きな要因だと考えています。
- 何を話していいかわからない
- オチやゴールがない
- 沈黙が怖く、「自分が盛り上げなければ」と意気込んで空回り
- 嫌われたり、評価が下がるのが怖い
順番に紹介していきます。
何を話していいかわからない
「何を言えば相手に喜ばれるか」、「相手の地雷を踏まないようにするにはどうしたらいいか」。
そんな風に考えて、なかなか最初の一歩が踏み出せない状態です。
こうなってしまう原因は、相手の情報が少ないことや、失敗したくない気持ちがある場合が多いです。
話題選びのハードルを自ら上げてしまっていると言えるでしょう。
オチやゴールがない
「この話をしたいけど、終わらせ方がわからない」「目的も意味もないから雑談なんて無駄」。
そう思っていて一歩踏み出せなかったり、「雑談をしない」選択をしている状態です。
この不安は、雑談の目的を設計し直せば解決するでしょう。
後ほど詳しく解説します。
沈黙が怖く、「自分が盛り上げなければ」と意気込んで空回り
「黙ってると気まずいからなんとか沈黙を埋めよう」と思って、空回りして自滅することは少なくありません。
また、「自分の印象を良くしたい」「相手に好かれたい」と思うあまり空回ることもあります。
この状態をくり返すと、「やっぱり自分にはセンスがないんだな」と思って、人と話すことが怖くなってコミュニケーションに消極的になっていきます。
かつての筆者はまさにこのパターンだったので、この気持ちはよくわかります。
嫌われたり、評価が下がるのが怖い
相手の顔色を伺いすぎると、減点を恐れるあまり無難なことしか言えなくなるか、沈黙を選んでしまいます。
そして沈黙に耐えきれなくなって前述のように空回りするので、目の前の仕事に集中しているフリをしたりして、関係がうまく築けません。
これは、「失敗したらどうしよう」という恐怖心からなかなか行動に移せない人に多い傾向があるように思います。
かつての筆者のことでもあります。
雑談のハードルを下げる4つの捉え方

これらの不安は、雑談の捉え方を見直すことで、ある程度軽減できると筆者は考えています。
とくに筆者が大きな影響を受けたのは、以下の4つの捉え方です。
- 雑談の本質は、信頼関係を築くための「接点づくり」
- テンションやトーンを共有するだけでもOK
- 雑談にたいそうな目的もオチも必要ない
- 沈黙は「あって当然のもの」と捉える
筆者はこの4つの捉え方を意識するようになってから、雑談への不安がかなり払拭されました。
雑談の技術を磨くためにまず実践の場に立てるように、この4つの捉え方を順番に見ていきましょう。
雑談の本質は、信頼関係を築くための「接点づくり」
雑談の内容の深さよりも、雑談することそのものを「信頼関係を築くための接点」と捉えると、実践の場で雑談を始めるハードルがグッと下がります。
もし上手く話せなくても、 「私はあなたの敵ではない」ということを相手に伝え、相手に「あの時話したな」という接点を一度挟めればひとまずOKと捉えます。
このワンクッションを挟んだ後に、相手が困っている時に声をかけたり、仕事をお願いしたりしてみましょう。
相手にとっては「あの時助けてくれたこと」が印象に残るかもしれませんが、その引き金を引いたきっかけは、事前に雑談したという接点です。
「相手のことを知らないから話せない」のではなく「相手を知らないからこそ声をかけ、次につながる接点にする」という捉え方をすれば、雑談を実践することの不安は和らぐと筆者は考えています。
テンションや声のトーンを共有するだけでもOK
雑談では、話の整合性にこだわる必要はありません。
たとえ多少話が噛み合わなくても、テンションや声のトーンを共有するだけで、相手からの印象が変わることがあります。いわゆる「ノリを合わせる」ことです。
テンションや声のトーンは伝播します。
怒っている人に怒り返すと大喧嘩になるように、テンションや声のトーンを合わせることで感覚を共有することで、一体感を生み出します。
この心地よい感覚の共有が心理的な距離を縮めることにつながります。
ただし、自分の限界を超えて無理をして相手のテンションに合わせると、後で自分にとって大きな負担になってその人に苦手意識を持ってしまうことがあります。
あくまで自分ができる範囲内で、テンションや声のトーンを調整するようにしましょう。
雑談にたいそうな目的もオチも必要ない
雑談は、会議のように何かを決めたりまとめたりする場ではないので、目的やオチは必要ありません。
先ほど述べたように、目的は信頼関係を作るための仕込みなので、結論が出ないまま話を切り上げても全く問題はありません。
強いて意味をあげるとすれば、雑談には組織の風通しを良くしたり、話している人同士の気分転換をする意味があります。
部署や職場の雰囲気づくりそのものの役割を担うこともあるので、「目的がなければ雑談を始められない」という考えを改めると、雑談を始めやすくなります。
沈黙は「あって当然のもの」と捉える
沈黙は「あって当然のもの」と捉えることができれば、気まずいと思うことは少なくなります。
沈黙そのものは悪いものでも良いものでもなく、相手との関係性・状況・文化などによって捉え方が変わります。
家族や恋人、親しい友人などの間での沈黙なら苦にならない方も多いでしょうが、これは関係が築けているからです。
まだ関係が上手く築けていない人との沈黙は、相手も次の言葉を探したり、こちらが反応を見ている時間でもあります。
そのため、「沈黙はあって当然」と肯定的に捉え、こちらから無理に埋めようとせずに相手からのパスを待つことも大切です。
雑談を通して信頼関係を築くために心がけるべき3つのポイント

雑談に正解はありません。既に相手と信頼関係が築けているなら多少自分の話をしたり、愚痴を聞いてもらっても問題はないでしょう。
しかし、まだ信頼関係を築けていない相手と話すとき、覚えておきたい3つの心がけがあります。
- 相手の話を聞いて、相手のことを理解する
- 否定せずに相手の話を一旦受け入れる
- 無理に聞き出さない
この3つに共通することは、話の主役を相手にすることです。詳しく見ていきましょう。
相手の話を聞いて、相手のことを理解する
信頼関係を作る仕込みとして雑談をするならば、自分のことを話すよりも相手の話を聞く方が効果的です。
人は相手に受け入れられたときや理解されたとき、大きな安心感を覚えて心理的な距離が縮まる生き物です。
まずは相手がどういう人なのかを知ることに重点を置いて、「相手に興味がありますよ」というのが伝わるような質問をしていきましょう。
ただし、相手に「探りを入れられている」と感じられてしまうと逆効果になってしまいます。
否定せずに相手の話を一旦受け入れる
相手を否定しないことは大原則です。
たとえ自分と考え方が違っても、 「自分にはない考えで面白いですね」「そういう考え方もありますね」など、まずは相手の考えを受け入れましょう。
信頼関係は、相手と感情や価値観を共有し合うことから始まります。
相手のことを否定せず、なぜそう思っているのかを考えながら相手の話を聞くことを意識しましょう。
ただし、自分の考えを曲げてまで無暗に共感したり、犯罪行為を肯定するのは少し注意が必要です。
時にはストレートにダメとは言わず、「そうだったんですね」など、肯定も否定もしない返しをすることも必要です。
無理に聞き出さない
雑談は鍛えられる技術ですが、人によって向き不向きはあります。
「相手のことを知りたいから」と、自分の都合だけで無暗に話しかけてしまうと、人によっては余計に距離が開いてしまうことがあります。
その反応は、相手がまだ距離を取りたい状態だと考えられます。
距離を縮める方法は、雑談だけではありません。
そんな人に対しては無暗に話しに行かず、仕事で困っていることがあったら助ける、毎日挨拶だけはする、など、雑談以外のアプローチを試してみましょう。
相手の中で「この人は大丈夫」と警戒心が解ければ、相手の方からいずれ話してくれるようになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
雑談は、瞬発力と雰囲気づくりの技術です。
雑談の捉え方を改めて実践の回数をこなしていけば、誰でもある程度のレベルまで伸ばせます。
まずは雑談に対する考え方を「信頼関係を築く「接点」」「沈黙はあって当然」などに改めて、実践の回数を増やしましょう。
ここまで読んで『頭では分かったけど、実際どう返せばいいの?』と思った方は、筆者が実際に使っている『そのまま使える雑談テンプレ・会話例』を、noteにまとめています。

このnoteでは、
・何を話せばいいかわからない人向けの「最初の一言テンプレ」
・会話が続く“質問の型”
・気まずくならない切り上げ方
などを、そのまま真似すれば会話が成立する形を解説しています。
読むだけで終わらず、明日から使える内容にしているので、必要な方はぜひご覧ください。


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